好きだからこそ。
『....誰よりも愛してたよ。』
私はそう言って、隼斗の頬を伝う雫をそっと掬った。
『......さよなら、隼斗。』
力の抜けきった彼の手をとって、ゆっくりと降ろした。
できた隙間から彼をすり抜けて、私はまた歩き始めた。
静かに扉を開け外へ出る。
そして、振り返ることなく扉を閉めた。
瞬間、温かい雫が私の頬を濡らした。
悲しみの声は雨に紛れて消えていく。
__冷たい雨は止まずに、まだ降り続いていた。