【完】狼様の最愛。
アオイの服をギュッと掴む。
「最愛……誰だ、コイツ。」
私の異変に気づいたアオイが、私の後ろの男を睨む。
「ん? 君は誰? 僕の最愛に、何か用かな?」
「“僕の最愛”……だと……?」
「うん。だって、僕は最愛の父親だからね。」
壷が揺れる。
記憶の壷。
「やー、探すのに苦労したよ、最愛。」
揺れて、揺れて、揺れて、
鎖がほどけそう……。
「眼を覚ましたら病院でさ。亜希が死んだって言うもんだから、最愛を引き取ろうと思ったらいないんだもん。」
やめて……やめて……っ!