【完】狼様の最愛。
「アオイがいなくなったら……。」
私は躊躇なく、お母さんの手を掴むと思う……。
「……最愛。」
ギュッと、アオイが私を抱きしめた。
この前みたいな、毛並みのフサフサ感はない。
人間の男の人と同じ、固く骨張った体。
「俺は……。」
アオイが再び、口を開こうとしたとき。
「最愛?」
後ろから声をかけられた。
その瞬間、ふと背筋が寒くなる。
「やっぱりっ、最愛だ!」
駆け寄ってくる、その男。
さっきまでのが比べものにならないぐらい、体が震えた。