【完】狼様の最愛。
「最愛……最愛……、忘れないでくれ……。お父さんを……。」
亜希の目を盗んでそんなことを言えば、最愛は不思議そうに首を傾げて、笑った。
亜希と別れて、七年。
僕が身を売って起こした企業は大成功だった。
僕の幸福と代わりに、会社はドンドン成長していった。
そんなときも、僕は亜希と最愛を忘れはしない。
「ねぇ、あなた。お願いがあるの。」
それは、本当に偶然の話だったんだ。
「ここの村にあるこの山。これを崩して、ここに別荘を建てたいの。」
再婚した美紀絵(みきえ)に言われ……八年前、僕は赤坂村にやって来た。