【完】狼様の最愛。
「もう来たのか。」
「そういうアオイこそ、いつも私より早いじゃん。」
小さな切り株に座るアオイが、ほんの少し端に寄った。
私は空いたそこに、腰を下ろす。
この切り株は、アオイと誰かの特等席。
この前マンタが言ってたのをまだ覚えてるけど、今のところ、この山に来てるのは私とアオイだけ。
それなら、その人が来るまでここは私とアオイの場所。
性格悪いな、と、自分でも思う。
けれど、アオイと一緒に座ってこうして過ごす時間が、とてつもなく幸せで、止めようとはどうしても思えなかった。