私の初恋は人気者の君。



ドリンクバーの場所を伝える矢印を確認
して行くとそこにはあの桐谷君がいた。



桐谷君は少し疲れたような表情で
イスに腰掛けコーラを飲んでいる。





私は桐谷君の邪魔にならないように
ドリンクバーの方に足早に行き
コップを取り始めていた。




「早見さんじゃん。
 なんだ、俺に気づいたなら
 声かけてくれてもいいのに」



どき



き、桐谷君が私に話しかけてる??!




私は緊張して桐谷君に小さく二回
ペコペコお辞儀をした。



 
「早見さんってさ、俺の事
 実は好きじゃないでしょ」


  
え?!!?
どうやったらそう勘違いするの?!


こんなに好きなのに。


「そんな事ないです!!今だって
 桐谷君が私に声かけてくれて
 凄く喜んでるんです!!」


…あ。いやこれは言い過ぎたかも。
好きって言ってるようなものじゃん!


「ほんと?良かった!俺、ずっと
 嫌われてるかと思ってたからさ」 



私はジュースをコップに注ぎながら
背中で桐谷君の声を受け止めた。



「な、なんでそんな風に思うんですか?」


「だって、早見さん俺に敬語じゃん?
 俺にあんまり関わりたくないから
 敬語にしてるのかなって思って」



そ、それは…


「なんだか桐谷君にタメ口なのは
 申し訳なくって…」


私のジュースを注ぐ手はいつの間にか
止まってた。


「申し訳ない?そんな事ないのに!
 でも俺、早見さんの敬語好きだよ。」



どき




す、好き?!私の敬語が好き?!?

いや意味がわからない…



「ジュース注ぐの手伝うよ!」




桐谷君は残りのコップにジュースを
手早く注ぎトレーに乗せた。


「じゃ、個室帰ろっか」


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