桜の花びらは美しく、儚く、散っていく。
「あの人誰……?」

凄い人気みたいだけど……。

「逢瀬朔夜くんだよ!知らないの!?」

周りの友達にびっくりされた。

「逢瀬朔夜……。」

名前は知ってるけど、顔は知らない。


逢瀬朔夜(おうせさくや)。

私と同じ高校3年で、イケメンってことで有名。

その上、暴走族の総長を務めているらしく、女子からの人気が高い。


「朔夜くんのこと知らないなんて……。」

「本当に男に興味ないんだね……。」

呆れたように言う友達。

「興味はあるよ!?」

一応、弁解する。

興味はあるけど、好きな人が出来ないのが事実。

それに、恋愛って……

私にはまだ早いかなって。

「華のJKが恋愛しなくてどうすんの!」

友達に怒られた。

どうやら、私の心の声はだだ漏れだったらしい。
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