月夜の影3
「健也ぁ」

「なんだよ」


「なんではーちゃんに菜月じゃなくてルナって教えたの?」

「菜月って名前だとあの事件がバレるからだよ」

「ボスの?」

「そうだよ」





もうみんな忘れているはず。
頭の片隅ではそう思っている。
だけど、気づけば怯えている。
過去を隠し、愛する人にも言えない。
過去を言ってしまえばすべてが崩れてしまう。

< 28 / 83 >

この作品をシェア

pagetop