風が、吹いた

冷たい水で、顔を洗う。



今日から12月だ。



あれから、バイトも行っているが、特に変わったこともなく、淡々と過ごしている。



椎名先輩は他のバイトが忙しいらしく、佐伯さんの所のシフトも、当初予定していたものに戻していた。



だから、接点はあまり、ない。



他の3年生たちは推薦を受ける人たちもでてくるので、ピリピリとした空気が2階には漂っている。



ただ、学校で、彼と会う場所がひとつだけ。



それが、屋上だった。
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