帰宅部エース
「莉子ー」
「あ、愛実。じゃあ、常夏さん先行くね」
「うん」
友達を見つけたら、わざわざ走って行かなければいけないのか。
面倒なシステムだな。
そして彼女の名前は、莉子というらしい。
遅れて私も教室へと入った。
扉から一番近い席は、花瀬君の席であり、すでに花瀬君は席につき、何やら熱心にシャーペンを動かしている。
横目に見てみると、どうやら部日誌のようだった。
昨日の日付で、題名は『放課後居残りで怒られる』というもの。
本当に怒られたのか。
「常夏」
そのまま前を通りすぎようとしたが、呼び止められた。
「昨日は常夏のおかげでいい活動ができた。ありがとう」
何かをした覚えはない。
花瀬君がレポートを書かなかったというだけだ。
「自己評価、はなまる。二時間近く怒られた」
「二時間?」
レポートを忘れただけで、二時間も説教をくらったというのか。
「なんで忘れた、って聞かれたから、部活のためですって答え続けたら長引いた」
「あたりまえです」
ふと、部日誌を読んでみたくなった。
彼はずっと馬鹿みたいなことを続けてきたのかと思うと、読んでみたくもなる。
「日誌、読ませてくれませんか」

