重い想われ 降り振られ
菜奈は何も言わずに頷いた。

「恋ってこんなに苦しいんだね。なのに、どうしようもなく橘さんが好き。」

真理子の言葉に、菜奈はほほ笑んだ。

真理子は照れながら言った。

「小林さんにもまだ言って無いんだ。一番最初に、菜奈ちゃんに話したかったの。」

菜奈は夜空を見上げ「そっか・・・。」と呟いた。

「遠藤さん言ってたんだけど、橘さんって昔一度だけ好きになった人がいて、
その当時は友達とか周りにいろいろ言われて、すぐに別れちゃったらしいんだけど、
本当にその人が好きだったんだって。だからもう二度と周りに流されて
後悔するような恋はしないって決めてたんだって。次にそうゆう人に出会ったら
絶対大事にするって言ってたらしいよ。きっと、橘さんにとっての運命の人は
真理ちゃんだったんだね。」

真理子は「そうだといいな。」と笑った。

部屋の中から、ベランダへ通じる窓ガラスを開け小林が二人を呼んだ。

真理子と菜奈は、二人で声を揃え「はーい。」と返事をした。
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