重い想われ 降り振られ
沈む夕日昇る朝日
真理子は昨夜の事を思い出しつつ部屋の片づけをし、掃除を終わらせた。

綺麗に片付いた橘の部屋を眺め、自分の荷物をまとめた。

橘はお昼すぎに起き出してきて、遅めの昼食を済ませた後、書斎に籠もった。

昼食を取りながら、真理子は橘に自宅に帰る事を告げた。

お世話になったお返しに、キッチンやバスルームまでぴかぴかに磨き
満足した真理子は、ベランダで一息ついていた。

部屋の掃除に夢中になり、すでに空は赤く染まり日は落ちかけていた。

カラカラとガラス窓が開く音がし、橘がベランダに出てくるのが見えた。

真理子を背中から優しく抱きしめ囁く。

「本当に帰るのか?」

真理子は頷いた。

「部屋だって余ってるんだ。このままここに居たっていいんだぞ?」

真理子は首を左右に振った。

「一人で動けるようになったし、一旦帰ります。それに私にはまだ・・・。
小林さんと話しをしてこないといけないので。」

橘は真理子の顔を引き寄せ、優しいキスをした。
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