重い想われ 降り振られ
橘が首を左右に振った。

「姉貴が言うには、昨日お前に送られた後すぐに戻って来ていたらしいが、
何かあったのか?」

橘が顔を歪める。

それを見て、小林は橘を不安にさせないように言った。

「今日会社に出てこなかったから聞いただけだよ。昨夜僕が送った時間も
結構遅い時間だったし、その後となると深夜まで付き添っていたんだね。
それなら朝起きられなくてもしょうがないよ。」

橘は昨夜見た夢を思い出していた。

真理子が傍で泣いていた夢を。

「あいつに明日は来るように伝えてくれ。」

橘が小林に頼むと、小林は「わかった。」と了承し帰っていった。

だが次の日も真理子は会社に現れなかった。

小林が送ったメールの返事も無い。

菜奈に真理子の事を訪ねたが、菜奈の方も返事が無いと心配していた。

小林の胸に不安が広がる。
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