重い想われ 降り振られ
さらに次の日、小林は朝一で課長を捕まえて真理子の事を尋ねた。

「あぁ香田な・・・」

小林は会社が終わると、真っ先に真理子のアパートに向かった。

玄関チャイムを鳴らしたが、部屋の中は明かりも付いておらず人の気配も無い。

小林がドアノブに手を掛けると、鍵はかかっていなかった。

そっと開いた室内を見回し、愕然とした。

ドアを閉めて小林はアパートを出た。

面会時間はとっくに過ぎていた。

橘はノートパソコンのモニターを眺めながら考え事をしていた。

突然病室の扉が開き、小林が顔を出した。

「よぉ。こんな時間にどうした?」

小林が橘に告げた。

「香田さんが消えた・・・。」
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