重い想われ 降り振られ
「断わられてるんなら、あきらめろよ。」

呆れ顔で橘は松田に言った。

「橘さぁ~俺、知ってるんだぜ?お前だって人の事言えるのかよ。」

「何を?」

「こないだ一緒に飲んだ帰り、めっちゃ嵐になった晩。
お前、香田を無理やりホテル街連れ込んだだろ?
俺そん時タクシーで帰るとこで、見ちゃったんだよね。
だから橘は珍しく“賭け”に参加してるんだって思ってたよ。」

橘の横で菜奈が「えっ!」と口に手を当てて驚いた。

菜奈の反応を見て、橘は松田を睨む。

「そんなくだらねぇ事、するかよっ!」

思わず大声を上げてしまう橘。

その直後、遠藤が会議室に入ってきた。

「橘?・・・あっ松田!探したよ~。課長が呼んでるぞ。」

遠藤が松田を探しに来てくれたおかげで、橘の気が逸れた。

橘はそのまま、何も言わずに会議室を出た。
< 59 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop