重い想われ 降り振られ
食べながら、遠藤に話だす。

“アレ”とは、今日会議室で松田と険悪モードになった事だ。

「松田に聞いたけど、何だか歯切れ悪いし。橘から聞いた方が早いかなって。」

遠藤も食事に手を付けつつ、答える。

橘は菜奈と松田が口論してた事、真理子と一緒だった所を見られた事、
菜奈の前で“賭け”の話を出された事を話した。

「松田が菜奈ちゃんを口説くのは、しょうがないんだよ。
前の飲み会の後二次会行ったの覚えてる?僕達三人と菜奈ちゃんで行ったでしょ。
みんな解散した後、松田は菜奈ちゃんと帰る方向同じで、一緒に帰ったじゃない?
あの日誘われて菜奈ちゃんの部屋に上がって、泊まっちゃったんだよね。」

ビールの缶に口をつけ、一息ついて遠藤は再び話だす。

「菜奈ちゃんはその晩の事は酔っぱらってて覚えて無いらしいんだけど、
松田は手を出しちゃったんだよね。それ聞いて、
僕もてっきり菜奈ちゃんは、松田に気があると思ったんだけど・・・。」

空になった缶を横に置き、遠藤は立ち上がるとキッチンへ行き、

冷蔵庫から新しい缶を二つ取り出し、橘に一つ渡す。
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