拾った子犬(系男子)は身元不明
「何飲む??お茶?牛乳?コーヒーもあるよ」


布団をたたみ始めた夏樹君に声をかける。


「牛乳でお願いします。」


「了解!温っためるよね?」


「あ、お願いします。」


布団を片付けた後に、テーブルを戻す。


「どうぞ」


温めた牛乳と焼いただけの食パンを出す。

ジャムとバターも置いた。


「いただきます!」


丁寧に言って、食べ始めた。


もそもそと食パンを食べる夏樹君を盗み見する。


「何か、付いてますか??」


やばっ!盗み見ばれた!!


「い、いや、イケメンだなと思って。

 それにT大A判定ってことは頭もいいんでしょ?

 モテるでしょ?」


誤摩化す様に早口で言った。


「うーん。どーですかね?

 告白されたこともあるし、彼女いたこともありますけど、なんか、付き合ったらイメージ違うって言われて上手く行かないんですよね。」


「そうなの?」


「うん。つまんないんだって。」


「夏樹君が??」


そんな風には見えない。昨日の夜会ったばかりだが、凄くいい子に思える。


「何か、思ったより真面目で面白みが無いって言われます。」


「そっか・・・」


イケメンでもそんなこと言われるんだね。


「私もさ、付き合った人に可愛げないって言われて振られたことあるよ。」


「千夏さん、可愛いですよ?」


「きっと、可愛い女なら、今の食卓にオムレツとサラダも付いてる。」


「何ですか?それ??」


夏樹君がクスクスと笑った。
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