アイス・ミント・ブルーな恋[短編集]
「もしかして私…」
「うん、うざい」
「前から思ってたけど私に対してめちゃくちゃ厳しくないか佐々木君よ…」
「ハハっ」
「否定しよう!? なんでそこで爽やかに笑ったの!?」
「ハハっ」
「ねぇ私達友達だよね!?」
そう言うと、佐々木君は突然笑うのをやめた。
それから、私のコーヒーを人差し指で突いた。
「俺さ、こういう恋愛系の相談異性にする女大嫌い」
「え」
「って言ったらアンタ泣くの?」
「…………」
「だけど言うよ。俺が中原の彼氏だったら、彼女が男に恋愛相談してるなんて想像しただけで腹立つから」
「っ!」
「だからバカだって言ってんだよバーカ」
佐々木君は、私の頭を軽く小突いた。
…佐々木君は、優しい。
多分、いつも色んなことを考えて話してる。
他の子は皆私の彼氏を非難したけど、佐々木君は私を叱ってくれた。
佐々木君だけが、私の為に私を叱ってくれた。
私、本当にこういう人になりたいって、いつも思ってる。
佐々木君みたいに、不器用でも優しい人に、なりたいな。
「佐々木君、本当にありがと」
「…」
「佐々木君ちょっとかなり凄く口悪いけど、本当は少しだけいい人だって知ってるよ…」
「口悪いのに対していい人の割合少なすぎだろ」
「佐々木君顔だけはウケが良いから、モデルとか向いてるんじゃないかな…」
「中原…言いたいことはそれだけか…?」
「痛たたたたごめんなさいすみませんつむじ押さないで」