星になる~永遠の眠りにつく前に~

席替え






「…最悪…」



私はぽつりと呟いた。


黒板に書かれた【7】の文字。




そして私の手元にある【7】と書かれた紙きれ。


見間違えではないかと何度も黒板と手元を交互に見る。



でも見間違えではなさそう。



「ハァ…」



思わずため息が漏れる。


「(あーあ、この席ベストだったのに)」



心の中で文句を言いながら、私は机を移動した。




私の名前は新宮楓。


耳下のショートヘアに、栗色の髪の毛。


周りに比べて濃いめのメイク。

特別可愛くもなければブスでもない、ごく普通の高校一年生。



でも運気は誰よりも強い自信がある。


くじ引きとか、ね。

いつも運気の神様が私の側にいてくれてる。



その私が、くじ引きによって決められた席で窓際の一番前になってしまった。


端の一番前はみんなが嫌がる。



真ん中の一番前なんかより、断然先生の視界に入りやすいから。


それに黒板も見づらいったら。





「(せめて班員は一人ぐらい仲良い子入れてくれるんでしょうね。)」




そう思い後ろを向くと見事にあまり喋ったことのない子ばかり。


少し遠くを見ると私以外のイツメンの残りの子達は、班は違うものの一つに固まっている。



思わず私は空を睨んだ。



ちょっと、運気の神様。

なにサボってんのよ!



私だけこんな席なんて、酷くない?




再びため息をついて、机に顔を伏せた。






< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop