(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜
パタパタとスリッパを鳴らして、お母さんが玄関にきた。


その顔は完全に怒りに満ちている。


「葉月、ちょっときなさい」


わからないようにため息をついて、後ろをついていく。


リビングに入ると、お父さんがいる。


ああ、やっべえ。


「座れ」


小さなその一言に従い、お父さんの前に正座して座った。


「今日、お前は何をしていた」


こんな時は正直に答えるのが1番だ。


「遊んでました」


「今日ね、先生から電話がかかってきたの。葉月さんが来てませんって。無断で欠席なんて珍しいって。一応風邪ひいたって言っておいたけど。私もびっくりよ。あなた、練習ないって言ってたじゃない」


「葉月。お前言ってたよな。去年勝てなかった総体で絶対勝つんだって、だから、私も頑張るって。これはどういうことだ」



「あの…えっと、だから、その…」



歯切れ悪く話す私を見てお父さんはため息をついて言い放った。



「場の雰囲気を乱すようなら、お前がいるのはただの迷惑だ。やめてしまえ」


冷たい目でそういうと、お父さんは自分の部屋にいってしまった。



たまっていた何通ものラインには風邪ということで適当に返しておいた。
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