(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜
「おい葉月。あのお前が見たがってた映画のチケット先輩にもらったんだよ。一緒に行かね?」


その声の方を見るとそこにはいつの間にやってきたのかやはり立花さんを腕に引っ付けた海斗がチケット2枚を持って立っていた。


その映画は昨日雄也と見た映画。

二度も見る気はない。


「いい。私、それもう見たから。」


素っ気なく言ってれもんたちの方に行こうとすると、海斗は不機嫌そうな表情を見せた。


「誰とだよ。」


「は?」


思わず聞き返してしまう。


「誰と見に行ったのかって聞いてんだよ。」


静かだけど、確かに不機嫌そうな海斗の声に思わずビクッとなる。


なんでこんなに怒ってんの?


意味がわからない。


雄也と言ったことを言おうとしたがそれは遮られた。


「俺といったんだよ。」


そこには海斗を睨んで私の隣に立つ雄也の姿があった。


「はあ⁉︎」


その睨みに応えるように喧嘩腰に雄也を睨む海斗。


いつの間にかクラス中の視線が集中してる。


「ああ、それと俺ら付き合ってるから。必要以上に葉月に近づくなよ。」


クラスのど真ん中でそれを公言した雄也。

大きなどよめきが起こる。

れもんが意味がわからないというような表情で私のそばに近づいてきて言った。


「ほ…本当?」


れもんらしくない弱々しい声で問いかけてくる。

言わなきゃ。

私も。

真っ直ぐに海斗やれもんの目を見て力強く頷いた。


「うん。私は雄也と付き合ってる。」


< 145 / 300 >

この作品をシェア

pagetop