エレベーター
『わたしの世界』

七階

気がつくと、エレベーターの中にいた。


点灯する「7」の行き先ボタンのライトが消えて、エレベーターのドアが開く。



一戻ってきた、のよね?一


わたしはエレベーターの中から顔だけ出して、恐る恐る辺りを見回した。


『アンタ、何やってんの?』


聞き慣れた声のほうに顔を向けると、ウチの隣りに住む佐々木さんというオバサンと立ち話をしていたらしい母の姿が見えた。



『キョロキョロして…なんか悪いことでもしたの?』


怪訝そうにわたしを見ている母に、わたしは勢い良く抱き着いた。




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