沙夜詩集
君へ
覚えてるかな 君に出逢ったあの日


みえない鎖に怯えながら必死にもがいていた僕に君は手をさしのべてくれた


何でもないように笑ってくれたその笑顔はとても優しかったね


けれど

自分を包み込む何もかもが嫌だと言って君を困らせて

大丈夫といった手を振り払った



必死で走る先にはなにもないのに

駆け出す階段の向こうは自由という名の青空だけ


戸惑う鼓動に掴むフェンスの冷たい感触



肩を叩く君の横顔は一人じゃないよとまた笑う


初めてみつけた優しい光


やっとみつけた希望の話





< 5 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop