許婚でたまるか!
「それと、これは私の勝手な推測なんだけど……、」


と、早川さんがなにやら少し遠慮がちにあたしに訊いてきた。


「もしかして、…美香ちゃんって困ったことがあっても、独りで抱え込んじゃうタイプなのかな?と思って…。」


「え……。」


早川さんのその言葉に、あたしは面食らってしまった!


だって、そんなこと言われたのは初めてだったから。



驚きすぎて口を閉じられなくなったあたしに、早川さんは慌てて言葉を付け足す!


「あ、あのね!別に美香ちゃんの悪口とかじゃなくて、なんだかそんな気がしたから訊いてみただけで…!だから深い意味とかは無いの!その……、気分を害したならごめんなさい。」


「え?!……い、いいえ!!そんな滅相もございませぬ、です!!謝らないで下さい!!!別にあたし、全然怒ってないですよ!?ほら、元気!!アハハハッ。」


と、我に返ったあたしは早川さんに明るい笑い声を投げかける。



それにしても、


“ほら、元気!” って……。



全然話が噛み合ってないし、ただの馬鹿丸出しの返答じゃん!


なるべく早川さんには、あたしのアホな部分を見せたくないんだけどなぁー……。



とほほ。


「あの、美香ちゃん…?やっぱり、怒ってる……かな…。」



ハッ!!いけない!



また自分の世界に入っちゃってた!!



早川さんは申し訳なさそうに、あたしの顔色を伺ってくる。
< 246 / 264 >

この作品をシェア

pagetop