許婚でたまるか!

始動

その翌日ーー



この日は朝から体育の授業があって、男子はバスケで女子はマット運動と分かれていた。



そしてあたしはというと、


昨日早川さんに相談にのってもらった事を、さっそく実行していた!


「優子ー!見て見て!バク転出来たぞーー!!さてと、続いてはバク宙に挑戦だ!!」



この日のあたしは張り切って授業を受けていた。


「コラーー!橘ぁ!!マットの上でやれと何度も言ってるだろ!!!怪我したらどうするんだ!!馬鹿ものッ!」


通称 “柔軟ゴリラ” こと、体育の鬼瓦(おにがわら)の怒鳴り声が体育館内に響き渡った!


「ゴリリン!そう堅いこと言わないでよ!あたしも昔のゴリリンみたいな立派な体操選手に、ちょっぴり憧れてるんだからさ!!」



ちなみに鬼瓦のあだ名は、ゴリリンだ。



「橘、お前は体操をナメているな…?よし!分かった!!終了のチャイムが鳴るまでお前とはマンツーマンで直々に指導してやる!!!」


「え”。い、いや、それは………遠慮したい……なと。」


「橘ッ!!まずは柔軟性が何よりも大事なんだ!!前屈もな、中途半端にやるんじゃなくて、もっとこう……、」


「イデーーー!!!いててて!!…………ゴリリンッ!これって “力技” っていうんじゃないの!!?」


「橘!!甘ったれるなッ!!そんなんじゃオリンピックなんぞ目指せんぞ!!」



いつあたしがオリンピックに出たいって言ったんだよ?!!
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