今宵、月下の夜に
物陰から聞こえてくる声を聞いていた。

そしたら聞こえてしまった。


「うん。愛してるよ。迎えにいく」


その声を聞いた途端咲希さんはベッドに戻り寝たふりをして乗り過ごした。


「そんな…」


愁さんのことはよく知らないけど、あの人がそんなことする人には見えなかった。
あの優しい表情にあの瞳。

とてもそんなふうには…

私が驚いてなにも言えないと咲希さんは軽く笑った。
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