君のココロの向こう側
瑞穂との電話を終え、ベッドに倒れこむ。



……なんか、不思議な感じ。

ずっと忘れられなかった人が目の前に現れて、だけどその人はもう別な人と幸せになってて。

こんなに呆気なく……終わりを迎えるなんて。



「……いや、……とっくに終わってたか」



言って虚しくなる。

ずっとくすぶっていたけど、好きでい続けたわけじゃない、あの人は忘れられない人ってだけ──そう言い聞かせなきゃ、息も出来ない気がして。



「一度きりよ」



明日だけ。

昔に戻るのは明日だけ。

明後日の朝が来たら、私達はお互いに過去の人。

それが、今の私達の正しい関係──……。





「おはようございまーす」

「おはようございます!」



園内に元気な挨拶が響く。

いつもと何も変わらない、平凡な朝。



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