君のココロの向こう側
ただ一つ違うのは、さっきから心臓が落ち着かないこと。



「彩乃、さっきから何そわそわしてんのよ」

「み、瑞穂……」



呆れた顔で私を見る瑞穂に、情けない声を返してしまう。

それを聞いた瑞穂は、更に呆れた顔。



「で?今度はどうしたの」

「き、昨日の夜ね、考えたの。お互いに連絡先知らないから、待ち合わせ場所とか直接伝えるんだろうなって。でもそれって会うってことじゃん。じゃあ智也くんを連れてくるのは──」

「はーいストップ。長い」



口を瑞穂の手によって覆われる。



「もが……なにす……」

「来たみたいよ、あんたの王子様」



瑞穂の目線は私じゃなく、門の方に向けられていた。



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