君のココロの向こう側
そこまで私を大切に思ってくれてるんだって、痛いくらいに感じた。



「私が寂しいって言う度、隆太郎はこっちに戻ってくるの?私が行くの?」

「……出来るだろ」

「ううん、無理よ。いつか必ず限界が来る」



そして、崩れてしまう。

なら、せめてまだ無傷なままで。



『……番線のホームに電車が参ります。白線の内側に──』



ホームにアナウンスが鳴り響く。

アナウンスが到着を知らせた電車は、隆太郎が乗る電車。



「私ね、隆太郎のこと本当に好きなの」



大好きなの。

だから、



「限界が来て、隆太郎をボロボロにしたくない。夢への道をボロボロの状態で歩いてほしくないの」

「……っ」

「そして、何より耐えられないのは……私が隆太郎をそうしてしまうこと」



なんて自分勝手なんだろうね。

君は、私のことをちゃんと想ってくれてるのに。



恨んでいいよ。

憎んでいいよ。

私の中ではこれからも、君への想いは生き続けると思うから。




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