君のココロの向こう側
喧嘩ばかりの日々を乗り越えて、感じたこと。



「離れてる限り、私はまたきっと不安になる……!」



恋愛のことだけじゃなく、仕事のこととか、私達の未来とか。

そしてその度にぶつかってしまうんだろう。



「……今回みたいにこれからも乗り越えていけばいいじゃん」

「私もそう思ったよ。だけど、私はその度隆太郎のぬくもりを求めちゃう。それは隆太郎の夢の足枷になるでしょう」

「……んだよそれ!」

「私は隆太郎の負担にはなりたくない」

「俺はお前のこと負担になんか思ったりしない!」



そう言った声が震えていて、逸らしていた目線を隆太郎に向けると。



「っ!」



隆太郎が、泣いていた。

今まで涙を見せたことなかったのに。

男は強くなきゃならないと言った隆太郎が。



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