晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



「リク、話してくれてありがとう」



そう言うとリクは首を横に振った。


……きっと、打ち明けてくれるだけでも相当勇気がいったと思うんだ。


だから、ありがとうね。



「彼女と幸せにねっ?」


「うん、ありがとう」


「今度紹介してよぉーっ!?」


「ははっ、うん!」



ーー幸せになってね。


偽善じゃなくて、私は本当に、心の底からそう思った。


彼女とうまく行けばいい。


私は、そばで見守っていたい。


誰かの幸せを願える幸せがあることを、私は知ることが出来た。


これからは……ううん、これからも。友だちとして、リクを支えていこう。


どんなことがあっても、味方でいてあげよう。


それが、私にできる唯一のことだと思うから。



< 156 / 187 >

この作品をシェア

pagetop