晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜


それが、親友だと思うから。



「どうかした?」


「え?」


「なんか元気ないよ、咲ちゃん」



そして、帰り道。


七美ちゃんと帰ってて、普通に会話できてると思っていたのに、そんなことを言われたから。


……しまったと思った。



「別に、なんでもないよっ?」


「そう?なら、いいけど。てか今日遊ばない!?」


「あー……ごめん!今日は帰ったらお母さんの手伝いしなきゃいけないんだぁ!」



……ごめん、七美ちゃん。


ウソついて。


でも知らないほうが七美ちゃんはいいと思うから。


だからついてるウソで……。


って、誰に言い訳してんだ、私。



「そっかぁ……。なら、仕方ないね」


「うん。ごめんね?」



しょんぼりしたような七美ちゃんの表情に、隠してる真実に、申し訳なくなる。


ごめんなさい。本当に。


こんな風にしか、守れなくて。


でも私は、七美ちゃんだけは、大切にしたいんだ。


大好きな、親友だから。


< 23 / 187 >

この作品をシェア

pagetop