晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
それが、親友だと思うから。
「どうかした?」
「え?」
「なんか元気ないよ、咲ちゃん」
そして、帰り道。
七美ちゃんと帰ってて、普通に会話できてると思っていたのに、そんなことを言われたから。
……しまったと思った。
「別に、なんでもないよっ?」
「そう?なら、いいけど。てか今日遊ばない!?」
「あー……ごめん!今日は帰ったらお母さんの手伝いしなきゃいけないんだぁ!」
……ごめん、七美ちゃん。
ウソついて。
でも知らないほうが七美ちゃんはいいと思うから。
だからついてるウソで……。
って、誰に言い訳してんだ、私。
「そっかぁ……。なら、仕方ないね」
「うん。ごめんね?」
しょんぼりしたような七美ちゃんの表情に、隠してる真実に、申し訳なくなる。
ごめんなさい。本当に。
こんな風にしか、守れなくて。
でも私は、七美ちゃんだけは、大切にしたいんだ。
大好きな、親友だから。