晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
とにかく時間が欲しい。
自分で考えて、自分で答えを出したい。
「理解できない。どうしてそんなに心の弱い子に育ったの。お母さんが咲ぐらいの時そんなに心弱くなかった」
グサグサ刺さるお母さんの言葉。
ーー心が弱いのなんか、自分がよくわかってる。
「情けないとは思わないの?」
「あ〜!もうっ!黙ってられないの!?お母さんの話なんか聞きたくもない」
「なら出て行きなさい」
「っわかった!!出て行くっ!!」
ケンカした勢いだけで家を飛び出した。
お兄ちゃんが「やめろ」って止めてくれたけど、振り切って出て来た。
バン!と力いっぱい玄関の扉を閉めた。
日付けも変わってて、車の通りも少ない家の前の道路。
目の前にある七美ちゃんの家の明かりに、目を背けて歩き出す。
「はぁ……」
追いかけて来てくれるかな……なんて思ったけど、そんなことなかった。
期待するだけムダか。
お母さんはきっと優等生な私が好きだったんだから。
勉強ができて、先生からも頼られてて、自慢の娘だってつい半年前までそう言ってたもんね。
こんなになっちゃった私なんか、もう好きじゃないよね。
こんな出来損ないならいない方がマシだとか思ってそう。
……このままどこか遠くに行きたい。