キスの意味
金曜日、午後７時過ぎ。

外回りから帰った高野主任から、帰宅命令が出される。

「水野君、今日は早目に帰れよ！明日、早いぞ」

「はい！後何枚か伝票入力したら、帰ります」

「何かあるの？」という感じで、目を丸くして小首を傾げる丸岡さん。

もう、可愛いなぁ！
10才近く年上の先輩にそんな事を思いながら、丸岡さんに微笑んだ。

「明日、野球大会があるんです」

「そっか～！いよいよ明日なんだ」

丸岡さんは、頷きながら言う。

野球大会の日が近付いてくるにつれ、その話題が営業の事務所の中でも増え、それに比例するように、高野主任と津村主任が浮かれていた(ように私には見えた)

そんなにお世話係の人が、楽しみなんですかね!?

私は、心の中で苦笑する。

野球大会を主催する会社の女子社員は、かなりレベルが高いらしい。

そうは言っても、こんな田舎に、可愛い女子がゴロゴロいないでしょう!?

ふと、自分の周りを思い出す。

千晶に、真尋に、尚子さん。

ザッと思い出しただけだけど、タイプは違うが、みんな可愛い。

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