キスの意味
「たいした事は、されてないんです!太股を撫でられたり、耳元で囁かれたり・・・」

こんな事で動揺している自分が、情けない。

「ハァ・・・」塚本さんの溜め息が聞こえた。呆れられたかも・・・「ごめんなさい!」そう言おうとした時、塚本さんの方が先に言葉を発した。

「イヤだったら、言って」

その言葉から一拍おいて、運転席から塚本さんの大きな手が伸びてきて、私の太股の上に置かれた。

「っっ?!」

「触られたの、こっち?」

大橋部長に触られたのは、こっち?て意味だよね。私は、コクコクと頷くのがやっとだった。

塚本さんの手が、私の太股を優しく優しく撫でる。

華奢じゃなく、ゴツゴツし過ぎず、真っ直ぐに伸びた指。私の好きな塚本さんの大きな手・・・

厚手のジーンズだけど、塚本さんの温かな体温が伝わってくるようだ。

それがジンワリと全身に広がっていって、段々落ち着いてきた。

ああ・・・やっぱり・・・同じ事をされても、全然違う。塚本さんに触れられても、不快感も嫌悪感も全く感じない。
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