約束の空
「楽しかったねぇー…」


花火の余韻を楽しむように、英梨はゆっくりと話した。


2人は優しい微笑を浮かべていた。


「…本当楽しかった」


私も、2人につられて微笑んだ。


帰っていく人たちの背中は、どこか寂しげだった。


「この夏、いっぱいエンジョイしよーぜぃ!」


「当たり前じゃん!」


私は今年の七夕に、ずっと健康で幸せに暮らせますように、と願った。


─だけど、その願いが叶うことはなかった。
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