約束の空
「どうして?私どこも悪くないよ」


英梨は私の手を両手でぎゅっと包み込んだ。


そして、訴えかけるような瞳でじぃっと私の瞳を見つめた。


「パーキンソン病って知ってる?


 知り合いにその病気でなくなった人がいるの。


 もしかしたら、マミその病気かもしれないんだ。


 似てるの。症状がすごく似てるの」


私は英梨の手を振りほどいて、キッと2人をにらみつけた。


「…なわけないじゃん!変なこと言わないで!


 もう構わないで!じゃあね!」


無我夢中で走った。何が何だか分からなくなった。


パーキンソン病…か。そんなことない。


こんなに走れるんだもん。病気なわけないじゃん。


家に着くと、お母さんにそっと聞いてみた。
< 14 / 15 >

この作品をシェア

pagetop