課長、ちゃんとしてください。
あたしは返す言葉もなく、課長を見つめ返すしかなかった。







「………だから、ねー。

俺は、みんなが遅くまで残ってるの、心配なんだな〜。


女の子だけじゃなくってねー、男でもさぁ、やっぱり夜中は危ないでしょ〜?

だから、少しでも早く帰ってほしいんだよね〜」






「…………はい」







あたしは小さく頷いた。




課長が頬杖をついて、すこし困ったような顔で笑う。






「でも、俺のそんな自己満足のせいで、今日はみんなに嫌な思いさせちゃったからね〜。

ふだんもきっと、他の部署の人から、残業しないことで嫌味とか、言われちゃってるんだろうな〜、なんて思ってねー。


いろいろ、難しいよね〜」







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