課長、ちゃんとしてください。
「………そういや、阿部ってさぁ」





どき、と心臓が脈打つ。



また自分の噂話を聞いてしまうなんて。




声のトーンからして、いい話じゃないのは聞く前から分かりきっている。






「さっきちょっと部屋のぞいたら、課長と二人で残ってた」




「うっそ、マジで?」




「課長の仕事手伝ってたっぽい」




「えー、なにそれ見え見え」




「ね、気に入られようとしてんの」




「マジいい子ちゃん、ムカつく」




「てゆーか、まさか課長のこと狙ってたりして」




「うっそー」




「だっていつも何かと課長に話しかけたりしてない?」




「そーかも、うわー課長かわいそー、あんな根暗に好かれるとか」




「なんかしつこそうじゃない?」




「分かるー」






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