課長、ちゃんとしてください。
*
「あ・べ・ちゃぁ〜ん♡」
死神が冥界へと誘うような、不気味な猫撫で声。
あたしは顔が引きつるのを必死で抑えつつ、ゆっくりと振り返る。
「………なんですか、課長」
「うふふ〜。ランチ、行こーか〜」
「………いやです」
即答したけど、課長は「まぁたそんな〜」と訳の分からないことを言いながら、有無を言わさずあたしの腕を引いて立ち上がらせた。
「………課長。勝手なことは、やめてください」
「いいじゃないの〜」
必死に拒否するあたしを、課長は意外にも強い力で、ぐいぐいと引っ張っていった。