kiss of lilyー先生との甘い関係ー

恋人は、大学教授

 わたしは熟睡した。

 彼の手で最後に果てた後、どうなったか覚えていない。

 快楽の渦に巻き込まれて、そのまま気を失ったように眠ってしまった。

 もともと睡眠不足だったのに加えて、最後の一滴の力まで搾り取られたから。

 翌日に目が覚めたとき、わたしは自分がどこにいるのか、すぐにはわからなかった。


「誠の…家か、」


 寝室をはじめて認識した。きのうは電気をつけないままだったから(ついていたとしても部屋の内装に関心がいったとは思えないけど)。

 わたしはホテルの最上階スイートにでもいる気分だった。

 キングだかクイーンだかのサイズのベッドは真っ白で、内装はリビング程モダンではなくオーク調のトーンでまとまっている。白と明るい木の色のコントラストが目に優しかった。

 わたしは起き上がり、着るものを探した。

 そしてすぐにル・コンビジェのリクライニングチェアの上にバスローブを見つけた。きのう脱ぎ散らした服は見つからないから、きっと彼が仕舞うか洗濯に回し、代わりにこれを出しておいてくれたのだろう。

 バスローブを羽織って寝室を出た。
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