kiss of lilyー先生との甘い関係ー
 リビングに足を踏み入れると、誠はキッチンカウンターで太陽を背にパソコンと向き合っていた。

 ”おはよう”とわたしが声をかけると、椅子から降りて迎えに来てくれた。


「おはよう」


 額から頭部にかけてを撫でるようにわたしの前髪をかきあげた。

「気分はどうだい」

 彼がそう尋ねた。

「…生まれてから一番いいかも」

 わたしがそう答えると誠は喜んだ。

 彼はすでに着替えている。首元が開いたカットソーから鎖骨が見えた。

「シャワーを浴びてもいい?」

「もちろん。湯船にお湯を溜めてある」

 誠はバスルームは寝室の奥にあるドアの先だと教えてくれた。

「その間に僕は下のパン屋でなにか買ってくるよ。なにがいい?」

「あなたと同じものをお願い」

 わたしは彼を玄関まで送ってからバスルームへ向かった。

 きっと彼はわたしが起きるまで買いに行かずに待っていてくれたんだろうな。誠もお腹が空いていたでしょうに。彼の恋人としての行動は満点を越えていた。
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