夫婦ですが何か?










ねぇ、千麻ちゃん・・・・。






俺はいつだって目の前の君に焦らされて、



困らされて、



喜ばされて・・・。



揉めながらも一つ一つ山を越える毎にその関係が深まって。



お互いに手放せない程愛情も強まっていると傲っていたんだ。










ねぇ、




俺は馬鹿だったね。













こんな風に悲しんで泣いてくれた姿に感動したくせに、




ただ、俺への気持ちが強まった姿しか濃く焼きつけなかった。




重要だったのは、




俺と大切な絆を築こうと望んでくれた千麻ちゃんの心の内だったのに。













この涙を・・・・、


千麻ちゃんの悲しんで落胆した姿を、






しっかり記憶していれば・・・・























今こんなに苦しい後悔をしていなかったのかな?













『愛してるよ・・・・千麻ちゃん』












そう呟いて泣いても、



千麻ちゃんが受けた悲しみには到底及ばないんだろうね。





















抱きしめたい・・・。














ねぇ、







許して・・・・、千麻ちゃん。










< 406 / 740 >

この作品をシェア

pagetop