出会いと別れの季節
ユウマは、遠慮する私の手首をぎゅっとつかんで
スタスタと前を歩き始めた。
「え!?ちょっ・・・」
私は、手首をつかまれたまま駐輪場まで連れて行かれた。
そして、ユウマはようやく私の手首を離して1台のシルバーの
自転車にカギをかけた。
カチンッ
ユウマは、荷台を指差して優しい表情で私に言った。
「はよ、乗れ。送ってく。」
私は、こくんとうなづいて荷台にちょこんと座った。
「ちゃんとつかまっとけよ?」
「はい!!」
「なんで敬語や!?」
笑いながらユウマは、ペダルを思い切りこぎだした。
風がきもちいい・・・
風と一緒にユウマの匂いがする・・・