出会いと別れの季節
リビングに近づくほど、おばあちゃんが作る
おいしそうな料理のいい匂いが増してくる。
そして、リビングのドアを開けると
優しい表情でテーブルにおかずを並べるおばあちゃんと、
無表情で、ただ黙々と新聞を広げて読んでいるおじいちゃんの姿。
「アミ、早く座りなさい。」
「うん。」
おばあちゃんの言葉に、私は、3つあるイスの内、
いつもの馴染み深い1つのイスに腰かける。
そして、ちらっとおじいちゃんのほうに目をやった。
ストーブの前で日本酒を横に、新聞を読み続けている。