出会いと別れの季節
「夕飯の支度できたでな~、アミ。」
ドアの向こうから微かにおばあちゃんの声。
私は、白いセーターに包まれた手の甲で
ごしごしっと涙を拭いながら
泣いていることがバレないように
声を張り上げた。
「はぁいっ!!今いく!!」
念のため、そばにあった小さな手鏡を手にとって
自分の顔を見る。
ひどい顔・・・
涙でぐしゃぐしゃになったメイクに、
真っ赤に染まった目。
私は、深く深呼吸してから本棚の上に鏡を置き、
ドアをゆっくりと開けた。