恋の定義
周りの読者の人たちは、彼女の勇気に、応援するコメントで一杯だった。
無論、私も、紆余曲折彼女がブログに書き溜めていく心情の変化をずっと見ていたので、
ようやく、思いを伝える決心をしたときは、嬉しかった。
彼女の強さ、そして、若さが羨ましかった。
何年か前、少しだけ、いいなぁと思える人がいた。
今となっては恥ずかしい話だが、職場の上司がその相手だった。
私が入社した時、彼は現場のチームにどっぷりハマっていて、本当の技術職の人という感じで、とても取っつきにくい人だったことを覚えている。
当時、私は営業として配属されたので、いかに社内営業を上手く行っていくか、がとても大事な時期だった。
早く名前を覚えてもらって、何か新たな仕事を受注した時、ちゃんと仕事を受けてもらえるように、現場の人には常に笑顔で、相談ごとや、頼りにできる人を増やすことが役目だったのだ。
大半の人が優しく、時には冷静に見解を示してくれ、仕事の流れだったり、現場の実情を教えてくれた。
しかし、彼だけは違った。
どんなに話かけても、1秒、2秒、経っても返事がない。
3秒目になって、「それは無理。」って断られる。知らない、分からない、他の人が詳しい…等、とにかく無下にあしらわれていた。
無口で寡黙ということをまるで絵に描いたような人だった。
さすがの私も毎回のように、ぶっきらぼうに素っ気なく対応されるので、あまり話かけないようにしていたことを覚えている。
お客さんからの電話で話す以外、殆ど会話を聞いたことがなかった。
そんな彼が、唯一、喋るのを見たのは、拠点の朝礼があった時だった。
わたしの会社では、始業前に全員で集まって朝礼を行う。その中で、日替わりで3分間スピーチをするという慣例あった。
彼が当番になった日、息子さんのサッカーの話をした。そのときは、普段見たことがないくらい饒舌に話をしていて、皆んなからの一笑いも取るくらい。とてもじゃないけど、いつもとは全く違った印象だったのだ。
もしかすると、この人は本当はこういう風に話を楽しくする人なのかな、不器用なだけなのか?とも思った。
とにかく、その時の話のネタが面白かったので、よく覚えていた。
それから、彼が朝礼当番になる度に、少しずつ彼の印象が変わっていく。
奥さんの話、パスタを作るのが得意なこと。
昔はバリバリのスポーツマンでバスケが得意だったこと。今でもスノボに行くこと、しかも現場の後輩たちを連れて。
息子さんがスポーツがそこまで得意じゃないことを少し懸念しているけれど、一生懸命さを応援していること。
家族で毎年必ず、沖縄旅行に行くと決めていること。。。
だんだん彼の人物像が見えてくるのが、面白かった。
本当はきっと、話をたくさん持っている。
私はそう気付いた。