Je te aime ~愛しき人よ永遠に~
嵐の夜に
どしゃ降りの雨の中、私は自分の両手を見下ろしていた。
激しく雨が両手に叩き付ける様に降りつけていたが、鮮血が雨と交わり流れていた。


両手を力の限り握り締めて、闇を見上げて声の限り叫んだ。


でも、私の声は激しい雨音に無惨にも掻き消された。
私はその場に崩れ泣いた。


雨はそんな私に容赦なく降り続けた。



全てを無くした19歳の私の最後の日だった。


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