Je te aime ～愛しき人よ永遠に～
アテイ君の家に行く日は突然やって来た。

ナーちゃんから電話でアテイ君の家に居るから来なよと言われたのだ。


私は電車に乗りアテイ君の住んでいる駅に降り立った。
人がごった返す駅の一角からアテイ君に電話をした。


アテイ君は迎えに行くから駅のロータリーに居て。と言って電話は切れた。


暫くロータリーで待っていると聞き慣れたマフラー音がロータリーに響き渡った。
アテイ君のバイクだ。


私は内心焦った。文以外のバイクに乗るのは物凄い抵抗があったのだ。
しかし、アテイ君は私の前にバイクを停めてピンクのメットを私に手渡ながら笑顔で言った。

『これ、彼女のメットなんだ。貸すから被って乗って。』

私はここでモタモタしても迷惑だから言われるままメットを被りバイクの後ろに乗った。

私が乗ったのを確かめるとアテイ君はマフラー音を轟かせ駅前を走り抜けた。


私は緊張していた。
文の後ろに乗った時は風を気持ち良いと安心して全てを任せられたのに、全身に緊張が走っていた。


早く着きますように。
そればかりが頭の中を支配していた。



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