Je te aime ～愛しき人よ永遠に～
ナーちゃんが行く所があると言い出した。

私はそれで、駿の事を思い出し、ナーちゃんに問いただした。

『ナーちゃんは文と付き合ってて、駿とも付き合ってるの？』



身支度をしながら私の顔を見ずに答えた。

『そうだよ。』


『はァ？！』
私の怒りは昨日の夜の様に再び湧き上がった。


後ろを向くナーちゃんの肩を掴み正面を向かせ胸ぐらを掴んで言った。

『あんま、ふざけた事すんなよ。いい加減にしろよ。』


ナーちゃんは胸ぐらを掴んだ私の手を払いもせず不敵な笑を浮かべ勝ち誇った様に言い返した。



『アヤ。アンタがどんなに文を好きでも、付き合うことは出来ない。アンタだけには文を渡さない。アタシにはそれが出来る。2度もアタシは手術したんだ。文の子として。』



『！！』
私の体から力が抜けてその場に座り込んでしまった。


ナーちゃんは2度も手術をした。
それも文の責任にして。
文はそれを信じてる。


私が違うと言っても文は私の言う事を受け入れないだろう。
なんて事。


それにナーちゃんのその態度が許せなかった。
自分の体の事を顧みず、自分を大切にしない事に別の怒りがこみ上げ私はナーちゃんの頬を思いっきり叩いた。


ナーちゃんの体はよろけて床に倒れた。
ナーちゃんは自分が打たれた事に驚いて動けずに居た。


私はナーちゃんを見下ろして言った。
『ナーちゃんの言いたい事は分かった。
私が文の傍に居る限りナーちゃんが絡むなら、私は文の傍から離れる。
だから、2度と文を騙すな！悲しませるな。良いな？！今度何かやったら私はナーちゃん、アンタを殺すよ？』



ナーちゃんは腫れ始めた頬に手を添えながらゆっくり立ち上がり、黙って今ちゃんの家から出て行った。



私も片付けて、今ちゃんの家を出た。
鍵は今ちゃんの言われていた場所に置いて駅に向かって歩いた。




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